こんにちは、ラパヘルMDです。
東京都東部エリア(江戸川区周辺)の一般病院に勤務する外科医です。
腹腔鏡手術1000例以上の経験があり、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)を中心に診療しています。
この記事では「TAPP法とはどんな手術か」について、外科医の立場から分かりやすく解説します。
TAPP法とは、腹腔鏡を使って行う鼠径ヘルニア手術法の一つで、正式には
Trans-Abdominal Pre-Peritoneal repair(経腹的腹膜前修復術)「ラパヘル」と呼ばれます。
現在、成人鼠径ヘルニアに対する代表的な腹腔鏡手術の一つであり、
多くの施設で行われている標準的な術式です。
鼠径ヘルニアは、
足の付け根(鼠径部)の弱くなった部分から腸や脂肪が外へ飛び出してしまう病気です。
これを根本的に治すためには、弱くなった部分を補強する手術が必要になります。
TAPP法「ラパヘル」では、
お腹に小さな穴を数カ所あけ、そこからカメラと手術器具を入れて手術を行います。
腹腔内から鼠径部の裏側を観察し、ヘルニアの原因となっている部分を確認した上で、
腹膜の外側(腹膜前腔)にメッシュを置いて補強します。
この方法の特徴は、体の内側から広い範囲を確認しながら修復できることです。
従来の前方から行う手術と比べて、解剖を正確に確認しながら手術ができるという利点があります。
また、腹腔鏡手術のため傷が小さく、術後の痛みが少ないことも特徴です。
両側にヘルニアがある場合でも、同じ傷で同時に手術ができるという利点があります。
一方で、腹腔鏡の手術は術者の経験によって結果が大きく左右される手術でもあります。
解剖の理解、適切な剥離操作、メッシュの位置、固定法など、
細かい判断が術後の痛みや再発に影響します。
そのためTAPP法「ラパヘル」は、
適切なトレーニングと経験を積んだ外科医が行うことが重要とされています。
現在、鼠径ヘルニア手術にはいくつかの方法がありますが、
腹腔鏡手術、特にTAPP法の再発率が低く、
術後の回復が早いことから広く行われるようになっています。
このブログでは、
TAPP法「ラパヘル」手術の実際、手術の考え方、注意点、治療戦略について、
外科医の視点から記録していきます。
これから手術を受ける方、治療法で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
筆者:ラパヘルMD
消化器般外科・腹腔鏡手術を専門とする外科医
腹腔鏡手術1000例以上
日本ヘルニア学会所属 鼠径部ヘルニア修得医


